こんにちは!現役薬剤師のケイです!
薬剤師のドラマが始まり、薬剤師の知名度が徐々に上がってきました。
そのためか、自分の子供を薬剤師にさせたいと考える親が増えてきたように思います。
そこで、
今回は子供を薬剤師になってもらいたい親が知るべき覚悟をお伝えしようと思います!
学費がかかる
何と言っても、これが一番、親にとっての重圧です。
国公立薬学部の年間の学費:50万円 6年間の学費=300万円
私立薬学部の年間の学費:200万円 6年間の学費=1200万円
授業料だけでこれだけのお金がかかります。
それ以外にも、
入学料(30万円)、教科書代(毎年10万円)、
備品代(PCや白衣、実験に使う器具など)にもお金がかかります。
さらに、一人暮らしをさせる場合は、家賃と食費も追加してかかります。
子供に薬学部を最短の6年間で卒業させて、
一発で薬剤師国家試験に合格してもらおうとお考えであれば、
必ず、サークルや部活に所属させてあげてください。
薬学部の各教科の単位はかなり難易度が高いです。
高校のように簡単に単位をもらえません。
先輩や同級生から試験に通るための情報が必要となります。
多くのサークル・部活は、合宿や試合などを定期的に行なっています。
そのため、それの出費もいくらか必要になります。
留年率が高い
国立・公立の薬学部は該当しませんが、
私立の薬学部はかなり留年しやすくなっています。
基本的にどの科目もテストを実施しており、
60点以上を取れば単位を取れたということになります。
しかしながら、60点未満の科目が1試験でもあると、留年となってしまいます。
60点という単語だけ聞くと、ハードルは低く感じるかもしれません。
しかしながら、1年間で受けなければならない科目がとてつもなく多いです。
例えば、長崎国際大学の3年生の科目を見ると、33科目あります。
基本
●薬学英語
物理系薬学
●構造解析学●物理化学実習●生物物理化学
化学系薬学
●薬品製造学Ⅰ●和漢薬概論●薬品製造学Ⅱ
生物系薬学
●分子生物学●病原微生物・ウイルス学●微生物学・免疫学実習
●分子細胞生化学演習
衛生薬学
●衛生化学Ⅱ●臨床栄養学●環境科学●裁判化学●衛生薬学実習
●毒性学
医療薬学
●薬理学Ⅲ(末梢-2)●疾病学Ⅱ●薬理学Ⅳ(中枢)●薬物治療学Ⅰ
●臨床検査学●製剤学●臨床薬物代謝学●薬剤学実習●薬理学実習
●臨床生理学実習●微生物薬品学
薬学臨床
●医薬品情報論●病院薬学●薬局経営学●医療統計学
総合
●総合基礎学習Ⅱ
中学生のような
5教科(国語、社会、数学、理科、英語)と
実技4教科(音楽、美術、保健体育、技術・家庭)の9教科とは全然、数が異なります。
このように勉強の量がかなり多いので、油断するとすぐに留年となってしまします。
具体的にどれだけ留年者がいるのかをお伝えします。
見て頂く資料は、第105回の薬剤師国家試験の各大学の合格率を表した資料です。
この資料の最後を見ると、
新卒 | |||
出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
10,276 人 | 9,194 人 | 7,795人 | 84.78% |
この表になっていると思います。
この表は、ただ単に合格率だけでなく、留年者の数、留年率を見ることができます!
合格率:合格者÷受験者×100=84.78%
留年者数:出願者数-受験者数=1,082人
留年率:留年者数÷出願者数=10.5%
現役の大学6年生が薬剤師国家試験に出願するのは大体、12月ごろです。
そして、実際に国家試験を受験できるのは、卒業が確定する2月ごろです。
そのため、
留年してしまった人たちは出願をしていても、受験資格がないので受験できないのです。
有病率が高い
学費が高く、留年率が高いので、
薬学生は毎年かなりの重圧の中で学校生活を過ごしています。
上手にプレッシャーと付き合っていくことが楽しく大学生活を過ごす上で必要になっていきます。
サークルや部活、アルバイトをすることでストレスを発散させることができます。
しかしながら、何も勉強せずに勉強だけに向き合っていると、
進学のプレッシャーに耐えられなくて潰れてしまいます。
一度留年してしまったら、罪悪感で不眠症になったり、鬱になってしまうこともあります。
最悪の場合、留年した自分を許せなくなり、幕を閉じる人もいます。
どの大学も、暗い歴史があります…。
婚期が遅くなる
現役で薬学部に入学し、6年間で薬剤師国家試験に合格したとしても、
社会人になるのが24歳です。
他の4年制の大学とは2年間も社会に出るのが遅くなります。
そのため、社会人生活が馴れるまでに3年かかった場合、すでに27歳になっています。
そのから、婚約者を見つけ、結婚したとしても、30歳近くになってしまします。
女性の場合、そこから出産となると、どうしてもリスク出産になってしまいます。
薬剤師の給与はそれほど高くない
薬剤師国家試験を取得するのには時間もお金も気力もかなり使うのにも関わらず、
給与はそれほど高くありません。
厚生労働省が提供している「令和元年賃金構造基本統計調査」では、
男性薬剤師の平均年収が554万円、女性薬剤師の平均年収が504万円です。
平均月収で見てみると、男性は平均約39万円、女性は約35万円です。
平均年収を見ると、高いように思えますが、
24歳の新人薬剤師であろうと、薬剤師歴30年の54歳のベテラン薬剤師であろうと、
年収はほとんどと変わらないのです。
他の業種だと、キャリアを積んでいけば、年収も上がっていきますが、
薬剤師は優秀なキャリアを積んでいても、勤務薬剤師であればずっと500万円台です。
まとめ
今回は、自分の子供を薬剤師にさせたい親が知っておくべき5つのことをお伝えしました。
- 学費が高い
- 留年率が高い
- 有病率が高い
- 結婚が遅くなる
- 年収が低い
薬剤師になったらとても良いことが多いですが、今回は敢えて厳しいことを書きました。
今後も薬剤師にかかわることを記事にしていきますのでご覧になってください◎