こんにちは現役薬剤師 ケイです。
3月はお別れの季節、4月は新しい出会いの季節ですね。
この季節は薬剤師にとって非常に思い出深い季節なのです。
というのも、薬剤師になるための最終試練の薬剤師国家試験が2月末~3月頭に実施され、
結果は3月末に告示されるからです。
毎年、この季節になると当時のことを思い出します。
とても辛い日々だったと...
それはさておき、
平成28年度の第102回薬剤師国家試験は2/25、26の二日間で試験が行われ、
3/28に合否結果が告示されました。
第102回薬剤師国家試験の結果は以下の通りでした。
受験者数 13,243人
合格者数 9,479人
合格率 71.58%
この結果はどう思いますか?
どこを見てそう思いましたか?
合格者数を見ましたか?それとも、合格率を見ましたか?
これから薬剤師を目指す人はこの3つの数値をただ見ても何も意味がありません。
これから薬剤師を目指すあなたに本当に見るべき数値をお伝えします!
大学別の状況を確認する!
気になっている薬学部がありましたら
その大学の先輩たちはどれぐらいの合格率で薬剤師になっているのかを必ず確認しましょう!
各大学のHPを訪問すると、直近の合格率が公表されていることがあるかもしれません。
しかし、すべての大学が公表しているわけではありません。
公表している大学は結果が良かった大学だけが公表しています!
なぜ?
それは、結果が悪いのがバレてしまったら志願者が減るからです。苦笑
【第102回薬剤師国家試験 結果】と検索してください。
すると、厚生労働省のHPが検索上位に出てきます。
その厚生労働省のページにPDFファイルとして各大学の合否状況がきれいにまとまっています。
ちなみにこのページです。
気にするべきところは新卒欄だけで十分!
厚生労働省の資料を見てみると
総数・新卒・既卒・旧4年制卒業者
の4つの分類にわかれていることが分かります。
総数:新卒と既卒生(旧4年制卒業者)を合わせた人数
新卒:卒業が確定した薬学部6年生の人数
既卒:6年制薬学部に卒業したが国家試験に合格できずにいる人数
旧4年制卒業者:4年制薬学部を卒業したが国家試験に合格できずにいる人数
ここではっきり言いますが、総数や既卒を見ても全く意味がありません。
インターネットで国家試験の合格率を調べるとほとんどの数値が総数で公表されています。
それは薬学部の実態を知らない一般の人が公表しているからです。
あと、相対的な大学のランクをみるために公表されています。
総数は一発で国家試験に合格できなかった人のこともカウントしています。
これから大学に入って、
一生懸命勉強して薬剤師になろうとしている人が
一発で国家試験に通らなかった場合のことを考えても意味がないと思うのです。
既卒の合格率も高いことも越したことはありませんが、
新卒の合格率をしっかりと見ていきましょう!
出願者数と受験者数に差があるのは気づきましたか?
おそらく、各大学の新卒欄を見ると
合格率をまず見てしまうのではないでしょうか。
しかしこれでは不十分です。
いや!
合格率だけを見るだけではいけません!
薬剤師になった人・薬学部に行っていた人にしか分からない
カラクリがここに隠されています。
出願者数と受験者数に差があるのは気が付きましたか?

これまで経験してきた受験を思い出してみてください。
中学・高校受験や大学受験では
出願すれば必ず受験生として試験を受けさせてもらえていたはずです。
しかし、
薬剤師国家試験はその一般的な考え方とは異なります。
薬剤師国家試験における出願者と受験者との違いについて解説します。
出願者:8月ごろに在籍している薬学部6年生
受験者:大学が用意した卒業試験に合格し、薬剤師国家試験を受験を許された薬学部6年生
私立大学の薬学部では大学が、卒業試験を実施して、
薬剤師国家試験を受けて良い学生と受けてはいけない学生を振り分けているのです。
つまり、
私立大学の薬学部は合格できそうな学生しか国家試験を受けさせないのです。
この差が大きい大学ほど大学側が合格率を操作していることになります。
たとえば、北海道医療大学を見てみます。
新卒の出願者数:172人
受験者数:112人
172-112=60人
出願者が172人いたのに、受験者は112人に減っています。
60人の生徒は大学が実施した卒業試験に合格できず、
薬剤師国家試験を受けさせてもらえずに留年していることになります。
出願者数と合格者数を見ることで真の合格率が見える!
私が一番伝えたいのはこの部分です!
大学側が卒業試験の難易度を上げれば、
合格率をいくらでも上げることができるのです。
卒業試験を難しくして頭の良い生徒だけを国家試験を受けさせれば
国家試験の合格率は必然と高くなります。
なので、
正しく見るべき欄は出願者数(6年生の数)と合格者数です!
合格者数÷出願者数×100が真の合格率です!!
実際に計算してみます。
また同じように北海道医療大学で真の合格率を求めてみます。
新卒の出願者数:172人
合格者数:104人
104÷172×100=60.46% ←真の合格率
新卒の受験者数:172人
合格者数:112人
112÷172×100=83.69% ←新卒の合格率
北海道医療大学の新卒の合格率は83.69%とありますが
真の合格率では60.46%です。
これは、北海道医療大学の6年生が一発で国家試験に受かった人は
10人中6人しかいなかったということになります。
残りの4人は卒業試験に受からず留年してしまったか、
卒業はできたが国家試験に受からなかった人を表しています。
ちなみに私立の薬学部全体ではこのようになります。
新卒の出願者数:8,720人
合格者数:6,413人
6,413÷8,720×100=73.54%
私立の薬学部6年生の一発で国家試験に合格する確率は73.54%にたいして、
北海道医療大学の6年生の合格する確率は60.46%となります。
平均以下ですよね…
なにも知らない人が
北海道医療大学の合格率をみると83.69%と見てしましますが
真の合格率は60.46%でした。
まとめ
薬学部を決める大きな要素に国家試験の合格率は大きな要素だと思います。
大学側もそのことを重々承知しております。
そのためかなり巧みに宣伝しています。
騙されないよう、自分でしっかり計算して合格率も求めて見ましょう!


