こんにちはケイです。
今回は薬剤師になるための道のりをお伝えいたします。
現在の薬学部は6年制になり、
現役で薬学部に入学しても
6年間は大学に通わないと薬剤師にはなれなくなってしまいました。
さらに、卒業後も国家試験に合格しないと薬剤師にはなれません。
これから薬剤師になろうと考えている人は
大学入学後にはどのような試験があるのか知っておきましょう!!
薬学部の進学の難しさ
私は6年制の薬学部に行っていたので6年間大学の様子を見てきました。
私のいた学年、先輩、後輩の様子から見て、
留年せずに6年間で大学を卒業できる人は7割ほどです。
あとの3割はどこかの段階でつまずいて留年してしまいます。
入学式のときに100人の同級生がいた場合、卒業時には70人、
200人いた場合は140人、
300人いた場合は210人です。
せっかく受験に成功して薬学部に入っても気を抜いてしまうと留年してしまいます。
基本的にどの学年も進学は簡単ではないのですが、
留年しやすい学年というものもあります。
それは、卒業する時です。
薬学部には卒業試験という最難関のテストがある
一般的な大学は卒業論文を在学中に提出し、
それが認められれば無事に学位を取れ、卒業出来ます。
しかし、薬学部(特に私立大学)には卒業試験というものがあります。
たとえ、
いままで優秀な成績を取り続けていても、
立派な研究結果を出しても、
この卒業試験に合格しないと卒業ができません。
これまで、
5年間留年せずに進学してきたエリート集団でも
毎年、1割の学生は同級生と一緒に卒業ができず、留年生となっています。
噂で聞いたのですが、
大学によっては卒業試験の成績下位の1割は
大学の方針で卒業させないという制度の大学もあるそうです。
なぜ卒業試験があるのか?
それは、
大学の国家試験合格率を上げるためです。
卒業試験はどの大学もだいたい1月にあります。
2月末に実施される国家試験の日までギリギリまでしっかりと勉強してもらうためです。
そして、卒業試験は国家試験よりも難しく作られています。
卒業試験に合格した人であれば
国家試験も余裕を持って合格するだろうという大学の考えです。
そのため、
国家試験試験の合格率が高い大学は卒業試験が難しいことが多いです。
国家試験合格率が高いと大学はどんなメリットがある?
国家試験の合格率が高かった大学は、次の年までバブル状態になれます。
毎年、厚生労働省から各大学の薬剤師国家試験の合格率を公表されます。
裏事情を知らない人は
薬剤師国家試験の合格率が高い=レベルの高い大学
と勘違いしてくれます。
そして合格率の高かった大学にはその1年はかなり良いことが起こります。
翌年のオープンキャンパスの来校者の増加、入学志願者の増加、献金の増加などなど
大学に多くのお金が集まり、バブル状態になります。
分かりやすく言うと漫才のM-1グランプリのようなものです。笑
優勝した次の年には
テレビに出る機会が増えたり、
ライブに来てくれるファンが増えたり
良いことだらけですよね。
まさにそれと一緒の現象が起きるのです。
各大学(特に私立大学)は薬剤師国家試験の合格率をあげることに必死になっています。
国家試験は年々難しくなっている
せっかく最難関の卒業試験にも合格したのに
肝心な国家試験に落ちてしまうこともあります。
卒業試験は各大学の教授が作るのに対して
国家試験は全国の大学の教授、病院の薬局長や厚生労働省の長官など
多くの人が作成しています。
そのため各大学の教授が作成した問題とは傾向が異なってしまうのです。
6年制になってから出題問題の見直しが行われており、
年々難易度が上がっていると言われています。
薬剤師国家試験の合格率の推移
総計合格率 | 新卒合格率 | 既卒合格率 | ||
---|---|---|---|---|
2012年 | 第97回薬剤師国家試験 | 88.31% | 95.33% | |
2013年 | 第98回薬剤師国家試験 | 79.10% | 83.60% | |
2014年 | 第99回薬剤師国家試験 | 60.84% | 70.49% | 39.85% |
2015年 | 第100回薬剤師国家試験 | 63.17% | 72.65% | 53.12% |
2016年 | 第101回薬剤師国家試験 | 76.85% | 86.24% | 67.92% |
2017年 | 第102回薬剤師国家試験 | 71.58% | 85.06% | 50.83% |
2018年 | 第103回薬剤師国家試験 | 70.58% | 84.87% | 47.00% |
2019年 | 第104回薬剤師国家試験 | 70.91% | 85.50% | 43.07% |
2020年 | 第105回薬剤師国家試験 | 69.58% | 84.78% | 42.67% |
6年制になってからは合格率が60%の年もありました。
第101回は合格率が上がったのは問題が簡単になったわけではなく、
受験者が猛勉強した結果が、良い形に現れただけであって難易度は上がっています。
最後に
薬学部は昔、入学できれば
トントン拍子で国家資格を取れると言われていた時代がありましたが、
今は決して簡単に取れません。
私の在学中には、
試験前の不眠続きの猛勉強による貧血で倒れてしまった仲間や
試験勉強のプレッシャーに負け不眠症になってしまった仲間、
そして、留年してその責任感から自殺してしまった仲間
と様々な闇がありました。
薬剤師は輝かしい面が多く見えますが、目に見えない闇も多く存在します。
しっかりした覚悟で薬学部を目指しましょう!!