こんにちは、現役薬剤師のケイです!
薬剤師の仕事は患者さんにとって見えない業務ばかりです。
そのため、アンサング【unsung:称賛されない】な仕事がほとんどです。
今回はアンサングな仕事で、
薬剤師が一番、重要視している業務、疑義照会【ぎぎしょうかい】をお伝えします!
そもそも薬剤師とは?
現在、日本では薬剤師法というものがあり、以下のように定められています。
第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。
第二条 薬剤師になろうとする者は、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。
第三条 薬剤師の免許は、薬剤師国家試験に合格した者に対して与える。
つまり、
薬剤師は国民のために、薬を用意して、薬を渡して、国民の健康を守ってね!
ということです。
薬剤師の仕事、疑義照会【ぎぎしょうかい】とは?
薬剤師法
第二十四条 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。
このように薬剤師法で疑義照会【ぎぎしょうかい】をすることが決められています。
薬剤師が医師の処方箋に変な箇所があって、
疑義照会【ぎぎしょうかい】をしないと法律違反となります!!
疑義照会【ぎぎしょうかい】をする薬剤師は実力者!
医師の処方箋に疑問を持つわけなので、
かなりの薬の知識がないと疑義照会【ぎぎしょうかい】はできません。
医師は小学校、中学校、高校で常に優秀な成績を取ってきた人たちです。
その医師が出した処方箋に疑問を投げかけるわけです。
病気の治療については薬剤師が医師に敵うはずがありません!
日本では医師が処方する医療用医薬品には1万4千品程度存在しています。
その1万4千の医薬品には
それぞれ、薬の説明書である添付文書【てんぷぶんしょ】があります。
それを読み込むのが薬剤師の仕事です!
添付文書【てんぷぶんしょ】に書かれている情報を武器にして医師に質問をするのです!
薬剤師の実力は
添付文書【てんぷぶんしょ】の内容をどれだけ覚えているか
と言っても過言ではありません!
疑義照会【ぎぎしょうかい】をしないと薬剤師はどうなる?
薬剤師が医師の処方箋のミスに気付かずに患者さんに薬を出してしまい、
患者さんに不利益が生じた場合は薬剤師も法的責任に問われます!
過去にこのような裁判がありました。
病院薬剤師が5倍量の医薬品が処方されていたにもかかわらず疑義照会を怠たり、そのまま薬剤が投与され患者が死亡してしまった事件で、処方医や病院開設者だけではなく、調剤および監査した薬剤師に対しても損害賠償責任を認めた(東京地判2011年2月10日)
処方箋を出した、医師だけでなく、ミスを見逃した薬剤師も責任を負った内容でした!
疑義照会【ぎぎしょうかい】は面倒!?医師のリアルな声
疑義照会【ぎぎしょうかい】の否定的な声
疑義照会【ぎぎしょうかい】の肯定的な声
残念なことに
薬剤師の疑義照会を医師の皆様は良く思っていない先生の方が多いようです。
医師の仕事は薬剤師の仕事と異なり、
患者さんの身体を診たり、検査を行なったり、問診をしたり、とても忙しいのです。
多くの患者さんが待合室で順番待ちしている中、
医師は1秒1秒を無駄にせずに最適な診断をしているのです。
薬剤師の疑義照会【ぎぎしょうかい】の時間がムダだと感じても仕方ないかもしれません。
優秀な薬剤師は
医師の忙しさを把握したうえで、
短い時間で、分かりやすく、医師の治療方針を尊重した
疑義照会【ぎぎしょうかい】を行なっています!
まとめ
今回は薬剤師のアンサングな仕事で、
一番、薬剤師が重要視している業務、疑義照会【ぎぎしょうかい】をお伝えしました!
疑義照会【ぎぎしょうかい】とはどういった仕事か?
疑義照会【ぎぎしょうかい】をする薬剤師は実力者であること
疑義照会【ぎぎしょうかい】をしないと薬剤師は法で処罰されること
疑義照会【ぎぎしょうかい】は医師から否定的な声と肯定的な声があること
以上のことをお伝えしました!